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結婚式のビデオは誰に頼むべきか

先週まで3回にわたって、結婚式のビデオカメラマンって具体的にどんな風に仕事をしているの?という話を書いてきました。

 

その1:結婚式の撮影にはエンドロールと記録ビデオがある

その2:エンドロールの一日のタイムスケジュール紹介

その3:記録ビデオを撮影して、お二人の手元に届くまで

 

今回は「結婚式のビデオってプロに頼む必要ある? 友達とか親族とか誰か撮ってるし十分じゃないの?」という当然の疑問にお答えする話です。プロに頼んだ方がいいところ、親族や友人カメラの方がいいところ、それぞれに利点欠点があります。

4-1. 親族や友人に撮ってもらう場合

利点

1. お金がかからない

撮ってもらった方にお礼としていくらか包むとしても、業者に頼むよりは安く済むでしょう。何かと費用がかさみがちな結婚式ですから、どこにお金をかけるべきかはしっかり考えたいですよね。

2. 会場のBGMも制限なくそのまま残せる

ご親族がホームビデオとして撮影して内々で楽しむ分には、利用申請等無くても大丈夫なようです(権利の取り扱いについては今後変化していく可能性もありますから、詳しくはISUMJASRACRIAJといった、各種権利管理団体のWebサイトをご自身でご確認ください)。

3. アットホームな雰囲気の映像になる

ただでさえ緊張する一日ですが、はじめましてのカメラマンに至近距離でカメラを向けられるのは結構圧迫感があるものです。知り合いに撮ってもらえれば、リラックスして、自然な表情をそのまま残すことができるでしょう。

欠点

1. 撮影者はゆっくりできない

イベントの合間に少しずつ時間はあるものの、いつ何が起こるか予測しにくいのが披露宴です。ゆっくりトイレに行く余裕はないかもしれません。

2. 凝った編集は期待できない

よほど仕事や趣味で映像を作っている方ではない限り、撮れた素材そのまま、という感じだと思います。自分たちが見る分にはいいかと思いますが、例えば来れなかったご友人と一緒に見るような場合には、何が起こっているかよくわからない、退屈な映像になってしまうかもしれません。

3. 場面の撮り逃しがあったとしても仕方がない

たとえ他ジャンルで仕事をしているプロカメラマンだとしても、ブライダルに慣れていなければ撮り逃しや失敗が発生することがあります。場づくりの限界や、やり直しがきかないという難しさがあるみたいです。趣味程度にカメラをやっている方が失敗されてしまったとしても、仕方ないことなのです。


4-2. プロに頼む場合

利点

1. 経験から来る品質

経験を積んだプロだからこそ、先回りして動いて最善の映像を撮ることができるのです。また、見やすさ伝わりやすさを意識して編集しますから、その場にいなかった人が見ても楽しめる映像になるでしょう。

2. 映像の安定性

必要十分のカメラワークでブレのない安定した映像を撮れる、というのがプロとアマの最大の違いです。ご友人やご親族が撮影している様子を見ることもありますが9割方手持ち撮影ですし、カメラを動かしすぎています。10分以上も手振れや無駄な動きが大きい映像を見つづけるのは辛いものです。些細なことのようですが、せっかくの思い出ですから、何度も見返したくなる映像で残したいものです。

3. ゲストの方にゆっくり楽しんでもらえる

慶びの日ですから、ゲストの方も自分たちも気兼ねなく楽しめるように、任せられるものは全てプロに頼んでしまえ! という考え方も一つだと思います。

欠点

1. お金がかかる

なんでそんなに高いのか、という話は以前書きましたが、良い映像を残すのにはどうしてもお金がかかります。

2. 会場BGMの収録に制限がかかる

業者に頼む場合、会場BGMをそのまま収録するためには、次の三つの条件がそろっている必要があります。業者がISUMに事業者登録していること、会場で使用するBGMがISUMのミュージックリストの中に登録されていること、収録曲数・分数に応じて業者を通して利用料金を支払うこと。ややこしいですね。結構な追加料金がかかってしまうので、BGMがかかっているシーンは一律で別のBGMに差し替えてしまう、という対処をしている業者が多いのが現状です。

3. カメラマンとの相性の良し悪しがある

なるべくお二人の雰囲気を読んで親しみやすく感じていただけるよう努力しておりますが、テンションを見誤って冷や汗をかくこともあります……人間ですから、いかんともしがたいところです。

 


4-3. 知人 or プロ?まとめ

 

安くあげたい、現場音を残したい、アットホームな雰囲気を大事にしたいなら、友人や親族に頼んでみましょう。

ゲストにはしっかり楽しんでもらい、高品質で安定した映像を何度も見返したいなら、プロにお任せください。

 

ちなみに身内にプロのブライダルカメラマンがいるなら、良いとこ取りが出来るわけですから、お願いしてみるのはありだと思います。私も実際昨年12月に、友人の披露宴だけ撮影させてもらいました。進行を理解していれば、お料理を楽しみつつイベントの時だけサッと撮影に動くということも可能です。

ただし、結婚式の撮影は本当にシビアなので、「イメージと仕上がりか異なってしまったために友情に影響があるといけないから、友人からの依頼は断ることにしている」というカメラマンさんもいました。もし断られてしまったとしても、悲しまないでくださいね。

於鳥制作所では、

 

・私が制作したBGMからなるべく近い雰囲気のものを選び、差し替え

・可能な限りの事前打ち合わせ、お二人とのコミュニケーションを通じて人となりを大切にした撮影

 

という辺りを心がけて、ご友人ご親族カメラの利点にも近づけるよう努力しています。ご検討のほど、よろしくお願いいたします!

 

次回は、ブライダルの仕事の好きなところについて書く予定です。よろしくどうぞ。